寝言でご飯 Mk-Ⅱ

趣味方向で書きたいモノを不定期で書いている所。

なついろレシピ 感想 ネタバレ有り

どうも、今更ながらPULLTOP Airより2015年の5月29日に発売した

「なついろレシピ」を発売日に買い7割程進行、以後そのまま積んでいたのを最近クリアしたので適当に書いていきます。

 

PULLTOP Air 『なついろレシピ』

 

PULLTOP作品は(今作は別チームの作品故Airが付随)

この大空に、翼をひろげて」(以降ころげて)

から入ったクチでHPをちょくちょくチェックしてた所今作も興味が出て購入。

ころげてはこのブログ(引越前含む)でネタにこそしなかったけど王道青春モノとしてかなり楽しめた作品だった、後に発売されたFD(FLIGHT DIARY)もファンディスクとして前作より規模こそ小さくなったものの雰囲気はそのままに良い補完だった。

今記事では割愛しますがころげてもオススメ、PC以外の媒体でも発売しているのでプレイしてはどうでしょうか。

 

さて肝心のなついろレシピについて

世界観

今作は所謂「田舎ゲー」に類する

なんだかんだあり主人公が山村の田舎「白珠村」に住む事になる所から物語はスタート

こういう作品に関わらず色々な物に言える事だけど、実際の「田舎」とは似て非なる物だという事を加味して楽しむ気概が必要だと思う、要するに頭を空っぽにして在るが儘を楽しんでみようという事。

話を戻して、今作はその田舎要素が絡みとても良い世界観を醸し出している

電話といった近代利器こそあるが物を買うためには大半自ら出向く必要があるし、お隣さんが数百メートル離れてるレベルといえばわかりやすいか

その分人と人との繋がりが重視され少人数規模で話を進行出来る所、交通機関等の都会故の言ってしまえば煩わしい設定を無理に行使せずに済むというのが便利でもあり利点でもある様に思う

同じゲーム趣向を持つ方々なら王道な田舎ゲーであるのが一目瞭然かなと

今作には恐らく他作品と一線を画する一番力を入れたと感じた箇所があるのだが後述します

それまでは前座と言っていい

 

ヒロイン

攻略可能ヒロインは4人、サブはルート無し

チョメチョメシーンの感想は後述、シーン数諸々は各々で

主人公の妹(非実妹)となる

早蕨姉妹、その姉すずなこごみ

村の青年団の長で若い世代では一番年上の涼香

 

少しざっくり

攻略順番はこごみ涼香すずな

各ルートの好きな順番はこごみすずな涼香

コンプリートして一番好きになった娘はこごみ

 

・各ルートの感想に入る前に共通ルートの感想

世界観項目で書きましたが田舎ゲーという事で人と人との関わりが重視

まず異邦人となる主人公が(結果的に義理となる)天涯孤独になってしまった柚の居る村の食堂に来た所から話が始まる

そういう事もあり、村の一員になるべく奮闘する主人公がまず序盤の見所

この主人公は非常に実直な性格で硬派、人相は少し悪いらしいが非常に好感が持てる方の主人公だった

打算的な人間関係を好まず少し硬すぎる思考のきらいはあるがそこも愛嬌となっていた

特殊能力とかファンタジー要素が一切無い今作で彼の成長も一つの良い要素ではあるが故に感情移入もすんなりいくと思う

親がアレ(ぶっちゃけヤリ○ン 親としてはしっかりしてたらしい)な身の上(柚の状況にも影響)なのによく捻くれたりグレたりしなかったと思った

その主人公を取り巻く白珠村の村人も基本的にクズが居ない所も気持ちよく読み進める事ができた理由の一つだろう

ヒロインの早蕨姉妹もそれなりに大家族なのだがその姉妹の母親あざみさんが中々良いキャラで主人公に対し全編通して世話を焼いてくれてた(なぜヒロインじゃないのか

サブキャラだと他には涼香の祖父猪左夫さんも他の村人にdisられ気味だがとても愛されており、ヘタレだが猟師だったり職人だったりポエマーだったりとても良いキャラ

その他にも立ち絵こそ存在しないが名有りの村人が良い味出してる

そんな人らに囲まれルートによっては一年二年と時を重ねる事で村を故郷とする程生活していく事になる

 

個別ルート

まずこの作品基本的に夏が舞台なので夏を過ぎるとその次の夏まで時が進む(カットされる)

背景差分の手間省きだろうけど夏らしさが売り(食物的な意味で)なので全編通してTHE夏である

チョメチョメシーンの感想・印象も合間に挟みます。

 

涼香ルート

恐らく一番ルート中で時が進むルート

悪くはないが↑の時が進む云々もあり付き合うまでが若干長く中だるみした印象を受けた

結婚までいくからかとにかく長い

ヒロインで一番年上だが主人公の方が年上で多分5~以上離れてるので実質年下

ヒロイン勢では圧倒的なスタイルを持つ

釣りスキルだったり猟師スキル(猟師の資格は無かったと思う)もありそっち方面で主人公が切り盛りする事になる食堂に食材(仕留めた動物だったり)を届けたり等サバイバリスト溢れる姉御肌も持ち合わせたキャラという印象

年長者だが色恋沙汰には比較的初心なのでそんな所がツボの人にはオススメ出来る

チョメチョメなシーンに関しては前述のスタイルを行使し付き合う様になってからは子作りに関して非常に積極的になるので初心ながら非常に貪欲に求めてくる印象

ちなみにだが営み中のセリフというか発する単語が中々にヤバい(良い意味で)

天然故のセリフチョイスなのだけど非抜きゲーで卑語じゃなしにあのエロティックは涼香ルートの見所だと思う

だが4つある個別ルートでは(悪くはないが)上記の理由もあり個人的に一番低い位置になる。

 

すずなルート

共通ルート冒頭から早速アホの娘っぷりが露呈しその後も物語のムードメーカー的存在として、時にこごみの良き姉として活躍する

この娘に関しては共通ルートで既に良いキャラとして君臨しており、もちろん個別でもその活躍っぷりは変わらないのだが個別クリア後もあまり評価が極端に上下しないキャラ、といって伝わるだろうか

すずなルートは他3つのルートだと普通にやってたとある事がこのルートだと気付けておらず、そこに主人公が介入する事になりそこがメイン

都会への進学を控えてる彼女なのでしかるべきをこなした後既に上京している姉(長女)の家へと一時は行ってしまうのだが、作中では結構時が経つがプレイヤー目線だと割りとすぐ帰ってきてる様にみえるのでそこら辺の感動は薄めか

そこで白珠村へと思いを馳せるのだが彼女が感じてたのはホームシックではなくとある事だった、この辺りの表現は賛否分かれそうだが良かった様に思う

チョメチョメシーンについて、彼女は背こそ及ばないが涼香に次ぐスタイルの持ち主

比較的彼女が受け身になる事が多い印象、変態で若干Mを自覚しかけるがそこまで変態なシーンは無い、というかそもそもこの作品自体非抜きゲーという事を加味しておくべし。良くも悪くも普通

全体を通して共通と変わらず明るく悩みこそするがまっすぐ突き進むアホの娘なので個別もそのまますんなり進める事ができた

良かったが個別で評価がググっと上がらなかった(仕方ないとも思うが)ので3番目くらいにオススメしたい

 

こごみルート

末っ娘、農家の娘らしく姉同様畑仕事に長けている

筆者が非常にぐっと来たルートであり萌え成分多めで非常に良いと感じた個別

その理由はこごみが主人公に好意を自覚し始めてから実際に付き合う所にあり

こればっかりは実際にやってもらいたいのだがとにかく

「胃袋を掴むのはでかい」「外堀を埋めるプロ」「男を駄目にするキャラ」

以上の3点が非常にでかい(某艦の娘が言った台詞を言う、パロではないと思うが)

このルートは主人公が落とすのではなくヒロインが落とすルートになる、むしろ主人公がヒロイン

夫婦とは「相棒」であり「ツーといえばカー」とはどういう事なのかその表現が良く出ている

正直ロリ趣向がなくても落ちる人は落ちる、むしろ彼女の魅力は母性

チョメチョメシーンについて、スタイルは末っ娘という事で背も低く4人の中では一番控えめ、大好物です!って人はまずそこで食いつくだろう

母性属性と性格のせいか奉仕気味傾向な印象、落とすまではガンガン来てたが営みでは男を立てる、アソコも立てる

田舎ゲーという事で「野外多いんじゃろ?」と思う人が多いだろうがこの作品は意外にも野外プレイは非常に少ない(あるにはある)

個別に入ってからとにかくグイグイ来て主人公(果てはプレイヤー)を落としに来る様は必見、このルートやらないと個人的に意味は無い。

 

柚ルート

大半の美少女ゲームでも正史扱いを受ける傾向が多い、そのゲームのメインストーリーポジションの筆頭娘のルート

柚に関してまずプレイして冒頭で声を聞いて思うのは

「声優さんの非常に拙い演技」

これは語る上で外せないと思う、新人なのかは知らない

非常に可愛い声だと思うのだが場数こなした人の演技を聞き慣れていると尚の事そう思ってしまうかもしれない

筆者は演技に関しては素人なので何をいうかお前と思われるだろうがこればっかりは仕方ない

だがそれと同じくらい

柚ちゃんをやれるのはこの人以外にもう居ない

と個人的ながらはっきりそう考える、それは好みの問題かもしれないし慣れの問題でもあるのかもしれない、だけど全編通してプレイすると”この人以外に柚ちゃんは出来ない”、”上手い人がやれば可愛くも良くも聞こえるのだろうがそれはもう別のなにかだ”とも思う様になった。実はチョメチョメシーンの数が他ヒロインの倍以上あったりもする、よくやりきってくれたと思う

話を内容に戻して

端的に語られているが、主人公の父親の影響もあり親戚中を厄介者扱いでたらいまわしにされて祖母の村へ来て唯一の故郷になりかけていた所で祖母の死

その境遇の彼女が頼ったのが主人公(というか主人公の父親)だったりしたのだが手紙を受け取ったのは主人公だった、もし父親だったらどうなっていただろうか

そんな感じだったのもあり最初は主人公含む村人に対して非常に内向的で元都会っ子なのもあり非常にスペック(俗にいう女子力)が非常に低い有様であったり散々だったが

主人公が祖母との思い出でもある食堂を復活させ、そこに協力していた事もあり心を開き主人公と一緒に成長していく、個別にも言えるがその二人の成長過程がメイン

努力が服を着て歩いている様などんどん料理他スキルを磨いていく主人公の傍らで自らも何か出来ないか、ただ傍らに居るだけでは嫌だというのが個別の一つのメインテーマになる

実は柚は実妹ではない赤の他人という事実は共通序盤で明らかになり個別序盤で柚にも知られてしまいその秘密を両方が抱えた事ですれ違いが起きたりする

付き合うまでのすれ違いはこのルートの見所ではあるのだは好き嫌い分かれると思う

筆者は感情移入してしまったぐらいには好きな所

物語序盤からある彼女のテンパりから発生する漫才は中々面白いと思う、個別でもその問答(?)は健在

このルート含む全ルートで彼女はタブレット端末を個別ルート始まりから入手しているのだがイマイチ使いこなせていない

ルート後半では主人公と柚双方の母親(共に死亡)と決着を付けたり一緒にとある物を作る事になるのだがそのへんはこのゲームらしさが出ていて非常に良かったと思う

全体通して明るかったり暗かったり起伏があるルートだが前述通りこのゲームらしさ(※後述)が出ているルートでもあるのでこごみルート程ではないがオススメ。

 

・※本編

 この記事の最初の方でも書いたがゲームには他ゲーと違いやたら力を入れている部分が存在している、それは

料理CG

である、もちろんCGっぽさはあるのだがなぜそこに力を入れたと言わせたいばかりの代物なのである

既に記述済みだが主人公は白珠村でしらたま食堂を営む事になるのだがそこで料理スキルを磨く際、それとは別に普通の食事シーンでもどこのクッキングパパだどこの美味しんぼだと言わんばかりの料理CGをプレイヤーにぶつけてくるのである

とても夜中に出来るゲームではない

公式HPでもかかったりしているメインテーマ曲「なついろレシピ」これが本編で流れ始めるとそれは所謂「飯テロ」が始まる事を意味する、飯テロのテーマである

それがかからなくても挟まる場合もあるので全編通して油断できない

 その料理CGレパートリーは多岐にわたりなんとCG枚数20枚にも及ぶ(どこぞのエロゲの1キャラ当たりの営みシーン枚数並)

 もちろん営みシーン同様CG回想で見直す事が可能だ、うっかり夜中に開けない

身近なあの料理や見たことないけど名前はしってるあの料理等なんでもござれ

もちろん美少女ゲーなのでヒロインとの関わりがメインなのであろうが、どう考えてもこっちをメインにしたかったけどPC美少女ゲーという媒体でやるしかなかったんだと思ってたんじゃないかと勘ぐってしまうレベル

というわけでこのゲーム、料理CGも見所なのでプレイの際には是非お腹を一杯にした食後なるべく時間を経てずにプレイする事をオススメしたい。

 

・まとめ

超展開やクライマックスカタルシスも言ってしまえば無い

田舎ゲーでもファンタジーや超能力といった類の物も無い

触手が出てくるわけでもタイムスリップするわけでも無い

けど世界観から伝わる確かに存在する良さみたいな物を公式HP、果てはこの記事から少しでも感じ取ってプレイしてもらえれば

決して名作ではない凡作ではあるけど、尖った作品ばっかりやってたまにはまったりやれそうな作品無いかな~ってなったらこの作品はオススメですので是非。