恋する乙女と守護の楯 ~薔薇の聖母~ 感想
先月末発売した「恋する乙女と守護の楯 薔薇の聖母」をクリアしたのでなるべく簡潔に。
まず大前提としまして自分はAXL作品は「かしましコミュニケーション」
から入って「愛しい対象の護り方」「百花繚乱エリクシル」しかやってない新参者
なので「恋する乙女と守護の楯」をプレイしてない奴の感想という事を加味して御覧ください。
某批評空間等でも同ブランド最高傑作と名高い前作恋楯ですが、まぁプレイしてなくてもなんとかなるだろうし公式HP等のチェックで少なからず期待してたので買いました。
それではまず
・シナリオについて
シナリオライターが前作同様の人で一人だけというのもありまして、共通・個別問わず終始読み進めるペースが変わらず且つとてもすんなりわかりやすく入ってくるテキストでした
共通ルートに関しましては所々で起こる事件や謎を個別への伏線として展開するある種の理想的な形に収まってたと思います
その謎は勘の良い方だと共通時点で把握出来るレベルかと思います
たとえばエコーの正体とかが代表的だと思いますが、自分は最初の定時連絡にて正体を怪しんだ後夜会シーンで確信って具合でした(今思えばわかりやすくしてましたね)
前作をやってなくても主人公の人となりはわかる様に出来てましたし共通部分だけで言えば前作の知識がなくても致命的という事は無いかなと
残念な部分が一つがまずあり、それはあまりサブキャラが光らない点
唯一光っていたのが部長だけど桂が扱いと活躍共に小物以下に収まってしまってるのが残念、サブキャラが活きないのは勿体無い
各個別について、これがキモ
攻略順番は、莉里→ソーニャ→麻衣→真愛→希望で完了
推奨順番ですが希望より先に麻衣ルートはやった方がいいかな・・・?程度でしょうか
そうじゃないと多分部長のアレのシーン入った所で持つ感想が違ってくるかなと、そこまで致命的ではないでしょうけど、一応どこからやっても平気な作りにはなってます。
そのままの流れでお次
・各キャラクター個別ルートについて
まず莉里ルート
この手のゲームでは王道の王子様系女の子が乙女チックになるそのギャップで攻めてくるルートになります、女装潜入してる主人公と対比がGood
中の人もAXL作品鉄板の人というのもあり安定感のある良い感じの個別です
莉里自体が男らしい一面もあるということでウダウダ悩まなかったのが個人的に○
イチャラブ度そこそこ、個人的には足りないぐらいなのだが全体的にみるとこのルートがイチャラブ度一番あったというオチがついた
他に特徴としては希望ルートと同じく黒幕がラスボスになる辺り、ただし黒幕の正体が判明するのは希望ルートのみ。
ソーニャルート
この娘に関しては共通・個別前半・後半で主人公に対する態度がガラリと変化するのでそこが楽しみどころか
好みに合えば個別前半及び希望ルートの彼女を知っていると個別後半で壁に頭を打ち付ける程の衝動に駆られる事でしょう
イチャラブ度はそれなり、共通・個別後半の脳蕩ボイスはガチだと思う
個人的には希望ルートの彼女は邪魔にしか感じなかったのだが・・・
それはああいう主人公の恋路の障害になるタイプが嫌いなだけなのだけど
希望ルートだけでなく他のルートでもそれなりに活躍が多いのは個別のボリュームが希望・莉里・真愛に劣る事からの補完かもしくはその逆、これは麻衣にも言える事だと思う。
麻衣ルート
ゲームが違えば麻衣は筆頭ヒロインたりえる程の逸材だと思う
ある意味一番主人公の側に居て助け、共通・各個別で安定した活躍そして謎
だがその各個別での活躍の割りを食ったのか、肝心の彼女がメインである個別のボリュームが5つあるルート中最も少なめに感じたのは気のせいじゃないはず・・・
イチャラブ度少なめ、完全にデレる頃にはもうクライマックスという悲しみ
彼女には所謂オタク要素があるのだがそれがあまり活かされてないのも勿体無く感じた
たとえば彼女の人格云々にオタク要素だったりを絡めるのもアリだったと思う
しかし前述通り全体的な貢献度で言えばヒロイン随一なのでそこら辺も加味して楽しむといいと思う。
真愛ルート
共通ルートでそのお馬鹿っぷりを発揮してた彼女だが個別では更にパワーアップ
お馬鹿っぷりがしっかり彼女の個別における可愛さに繋がってたので良かった
個別恒例になっている主人公の諸々バレイベントの後ちょっと悩みすぎたきらいはあるが、むしろ莉里がそれに関して悩まなすぎなんじゃないかと思ったし妥当なラインだと思う
2度に渡る攫われを経験し尚且つこのルートで明かされるあの謎を受けてもしっかり主人公と助けあってエピローグを迎えたのは本当凄いが、EDとエピローグの間の補完も少し欲しかった所・・・
今作購入特典も彼女のタペ目的で店舗選んだぐらい気になってたキャラだったのもあってかなり好き、エピローグで娘が居たのも個人的にポイント高い
他のルートもそうなのだけど「後もう一声・・・!」ってなってしまうのは致し方ないのかもしれない。
希望ルート
肝心要の筆頭ヒロインルート、恐らく色々な謎が明らかになるだろうしと期待して臨んだルートではあったのだが・・・
肝心の希望自身とのイチャラブ要素が極端に少ない上に、ピーチ姫よろしく攫われてしまいルートクライマックスまでしばらく出番が無くなってしまうという追い打ちも手伝い印象がイマイチ薄い結果になってしまった
後いくら彼女が天然でも初デートで待ち合わせ時間を忘れて(主人公は1時間以上待ち)寮の掃除に勤しんでたオチは酷すぎると思う、しかもその初デートはソーニャ他ヒロインによる二人っきり妨害が行われるという始末
彼女自身はとても可愛いのだがルートにおける扱われ方を根本的に間違われてしまったという感想、本当惜しい
一つ学んだ事は「天然も度が過ぎると恋心すら疑ってしまう」という事だった
その反面主人公周りの掘り下げはそこそこ進み黒幕との対決と諸々の決着が見所といえば見所か。
・システム
今までのAXL作品同様親切丁寧な作りになってます
特にチャートシステムは見易くスムーズな進行の良い手助けになってくれました
自分の知ってる所ではゆずソフトやオーガストに並ぶ良システムだと思います。
・曲
特にOPが良いですがそれらを筆頭に良い曲が揃ってると思います
ヒロインそれぞれに個別ED曲が用意されるのはAXLのお約束なのかそれも良い味出してますね
百花繚乱でも思ったけど劇中BGMも前に出過ぎず存在感なさすぎずで場面場面に合った良い演出になってると思います。
・総評
一応今作は(前作共に)女装男子モノになるわけだけど、それを活かしたチョメチョメシーンとかありそれは今作の見所の一つ
どう考えてもヒロインより主人公がメインになってる営みCGあるしな!
それを含めCGの出来はさすがのAXLといった所
しかし前述通りシナリオ面、特に個別で物足りなさを残してクリアした感じがはっきりとありそこが残念
ただ共通ルートのテンポの良い掛け合いとSDキャラ等含むキャラのカットイン演出は安定の面白さだったしクリアするまで本当に熱中出来たテキストだった
面白かった作品ではあったのだが個別のボリューム不足(正確にはイチャイチャ分不足か?)で惜しい形に収まってしまったという具合だろうか・・・
無印が価格改定版で出てるしそっちもやってみたら改めてこっちも再評価する形になるかもしれない。