まいてつ 感想
気がつけばクリアするのに一ヶ月くらいかかってる事に呆れてしまうがとりあえずまいてつをクリアしたので簡単に感想等を述べてみます。
まいてつに関しては→http://www.lose.jp/maitetsu/公式サイト
一ヶ月近くかかってしまったのは後述のグランドルート、これに入る条件が各キャラ個別ルートのクリアなのだけれど、その各キャラ個別をクリアした段階でモチベが一回途絶えてしまったのが原因と言えば原因。
要はグランドルートの大体の結末が読めてしまったので~って感じ、面白くはあった。
余談はそれくらいにして本題
今作は前作「ものべの」の次作に当たり、ものべのをプレイしていると発売前に「ものべの同様長めのシナリオになるのではないか?」と思ったりした方々は決して少なくないと思うのだけど、今作はとても良い意味で短くすっきり纏まった出来になっている。
体感時間はものべの(諸々含め)の時の半分以下くらいな気がする
それでもグランドルートまで含めて話はしっかり纏まっていた
それでは適当にカテゴリ分けしつつ簡単に
・シナリオ
前述通り短くすっきり構成に加えモブ含め魅力的な登場人物達が織りなす架空の九州、そのとある田舎の複線物語
このゲームのメインとも言える「鉄道」これの各解説が”ガチ”
鉄道好きが作ってるのがすぐわかる様な展開になってて何度も「へぇ~」となった
SL、つまり汽車ぽっぽに関して大雑把な知識はあってもその中身については今まで興味も何も無かったのが、このシナリオを見ると途端に「男の子の魂」が刺激される事と思う、汽車を生で見たことがあるって人は今の時代中々限られてくるだろうし
汽車周りの知識解説にはTips機能が役立っていたのだがそのTips、なんとフルボイスである、単語一つ一つに音声つきで割り当てられたキャラクターが解説してくれる
ものべのは言ってしまえば古代伝記物?だったがまいてつは汽車周りの話で男の子の魂を刺激され好きになるという仕組みだ
田舎の複線物語を非常にロマン溢れる表現で形にされてるシナリオだと思う。
・各キャラクター
公式HPで書いてあった気がするが一応、ルート数は全部で8
攻略順はポーレット→れいな(※1)→日々姫→稀咲(※2)→ハチロク→真闇(※3)→凪&ふかみ(※3)→グランドルート
※1 れいなルートはポーレットルートクリア後に開放
※2 稀咲ルートは日々姫ルートクリア後に開放
※3 真闇と凪&ふかみルートはハチロクルートクリア後に開放
推奨攻略順番は特に無いように感じました、サブルートはどれもメインヒロインルートクリア後に付随してるので一応、メインヒロインをお好みでどうぞといった感じか
・主人公
今作をプレイし始めて冒頭でなんとなく感じた事なのだけど前作ものべのの主人公が誠実なれど時折凄い頭の回転の悪さと焦りやすさを発揮したその反動からか、まいてつの主人公は誠実さに加え多少お硬い古風な喋り方なれどなんというか完璧モテモテ超人に近い、なにせ各ヒロインと一緒に(共通ルート早々)風呂入っても少なくとも共通時点では動じすらしねぇ!って具合(ヒロインにその状況が受け入れられてる事からも基準そのものの違いが明確)頭の回転も良く、物語を回し汽車がテーマ故からか皆を牽引する存在へとなっていく様はもう男として謎の敗北宣言をするしかなくなる
とあるトラウマを抱えているのだがそれを克服しその先を、がある意味この作品の裏メイン
前作主人公は(物語に絶対必要だとは思うけど)あまり好きじゃなかったがこっちはもう降参という意味で好きな部類
・ハチロク
メインヒロインにして筆頭
レイルロオドの詳細についてはあまり語られないが人間に限りなく近いアンドロイドという印象
大和撫子な性格と柔和な雰囲気がとても良い
この娘の個別ルートで唯一物語冒頭にある主人公との間接的な繋がりと対峙する事になる、似た者同士な主人公とのある種のトラウマを克服し頑張っていく姿はとても良かった
意外と子供っぽい所もあるのがエキスとして効いてて良いですね
・日々姫
初めに書いておくと俺はこの娘が正直好きになれなかった
原因は全て全編通して時折発生する一々言葉を言い直す癖と落ち着きの無さのせい
要するに方言丸出しの喋り方と標準語を使い分けようとしてその不慣れっぷりを表現した結果なのだろうが
これが物語序盤だけとかならまだしもね・・・
物語の驚き役と言えてしまうくらい落ち着きがなさ過ぎるのもあまり・・・といった感じ
良い所は役者さんの演技力、先ほど使い分けと書いたがその訛りが露骨に出る方言に対し標準語も使うのだがその標準語もちゃんと”不慣れ設定を考慮して訛って発音している”この辺はさすがプロですね
そんな感じなのだが前述通り後半は喋り方統一して欲しかった
物語上はどの個別でも機関士になるのだがとても良い仕事してると思います
だがこの娘が個別でとある事を目指すと宣言した時は正直「この娘にそれは無理だろう」と思った
設定上かなりのハイスペックを感じさせる演出はあるが・・・
・ポーレット
実は幼い頃主人公と出会ってましたフラグ持ちヒロイン
劇中だと頼りない市長として描かれているが正直頼りないというか酷いのは一部議員だと思った(市長に野次する諸々)とあるシーンのセクハラ野次は酷すぎる(現実はもっと生々しいのだろうが)
個別はれいなと一緒に居るシーンと主人公と二人のシーンが割りと明確に分かれており、前者は癒しポイント高め後者は微シリアスと物語において重要なシーン多めといった感じの調和が見所か、やはりこのルートでも完璧超人の主人公が頭角を現しポーレットを引っ張る姿に降参である
個人的に気になった点があり、この娘の個別で出番があってもいいはずの銀行頭取が出てこないのがちょっと意外だなと思った
・れいな
今作1の癒しキャラ、もう喋るだけで顔綻んじゃうんだけどマジなんなのって娘、中の人もいい仕事してます
どんなにシリアスになってもこの娘が一言発するだけで癒しと安定をもたらすので凄い良いキャラです、これはロリコンとかそういうの関係無く人類の共通認識だとすら思う
この娘もレイルロオドという事もありハチロクとは違った視点で語ってくれます
見かけはああだが作中でもかなりのベテランレイルロオドでありそのギャップも魅力か
れいなに限らずサブ個別に共通してる事だがかなり短いです
・稀咲
銀行側に所属するキャリアウーマン的ボクっ娘サブヒロイン
この娘の個別に関しては完全に逆玉で勝ち組が約束されている感じがする
非常にやり手で作中も安定した出番があるのだがイマイチ印象が薄い
だが議会のシーンはよくやった!と思った
・真闇
公式HPにもあるが主人公に惹かれてるのだが妹の日々姫のために・・・という奴である
こういう姉ポジが一人はいないとね・・・とは思うのだが稀咲同様の重要ポジなのに印象が薄いのは基本的にロリ優遇ゲームだからなのだろうか
それでも複線問題に立ち向かう主人公達の良い相談役であり時に導き手として活躍もするので良いキャラである事に違いないのだろうが
・凪
これでもかってぐらい明朗快活・自由奔放・天真爛漫
舞台は架空九州だが江戸っ子気質ともとれる性格が非常に魅力か
日々姫同様こっちも落ち着きはないのだが竹を割ったような性格のお陰で見事に相殺+αで+に傾いている気がする
ふかみと一緒のシーンが多め
方言訛り無しのふかみに対し方言丸出しの喋りが非常に心地いいとすら思う、これも役者さんの良い仕事っぷりが光った結果か
・ふかみ
個人的に今作のエロ担当
耳年増っぷりもそうなのだがチョメチョメシーンが多分一番エロい気がする
公式のキャラ紹介文からもう片鱗は出ている
立ち絵等から大分華奢な印象を受けるが川下りの船の舵取りをするのだからそれ相応の力があるはず
川下り運営担当という事もあり責任感が強く耳年増っぷりに加え知識も結構あるみたいなので作戦立案がふかみ、実行は凪とパワーバランスが取れている。
・グランドルートについて
このルートは締めという事だがサブルート並に短くこれまでの各個別のいいとこ取りといった具合になっている
あのルートでは成し得て別のルートだと成し得なかった事が全部入りまさにグランドエンディングを迎える
いやはや主人公完璧超人
・演出
今作はE-mote(エモート)が採用されているのが最大の特徴か
それもあり非常に臨場感のある演出が成されている
たとえばキャラが喋ってる最中に首を振る動作だったりキャラに目配せしたり等が挙げられる
自分の身近な所だとバトルガールのLive2D等も似た技術だと思う
もちろんチョメチョメシーンもE-moteでぬるぬる動く・・・のだがその影響か尺が短めになっている気がするが多分気のせいじゃないはず(主人公に早漏設定が無ければ)
多分相応に手間がかかる演出なのだろうなぁ・・・と感じた(実際どうなのかはわからないけど)
E-moteは記憶ではういんどみるのウィッチーズガーデン辺りが最初といえば最初っぽい感じだったと思うけど、それを採用した奴をプレイしたのは初だったのもありかなり演出面としての強さに感動しました
E-mote動画↓
本編はこの動画よりぬるぬる動きます
・BGM及びテーマソング
物語に合わせて非常に良い仕事してますね
各シーンのBGMも良いが特筆すべきはメインヒロイン3人それぞれに専用OPムービー曲とED曲
サブヒロインも専用のED曲があり力が入っていると感じた
オススメは全部だが特にという意味で「しゅっぱつしんこう!」かな、れいなの中の人が歌っておりキャラと合わせてオススメの癒しソング
・システム
前作ものべののシステムを踏襲・応用されてる感じのする便利なモノになってると思う
最低限の要素は揃っていると感じる、↑の方でも書いたがTips機能が色々と凄い
場面選択とブックマーク機能のお陰でセーブの取りこぼしをしてあのシーンに辿り着くのが時間がかかるというのがまずないのがGood
ただSEの音量が全部一括設定なのはよろしくない、汽車のポッポーといったSEは大きめで結構だがチョメチョメシーンのあれやこれやも同じ音量で聴きたいかと言われるとうーんとなると思う
後、ゲームのバグとして発売一ヶ月くらい経った今でも対策されていない様なので書きますが特定のCG(一例:ハチロクが最初に起動した後の半脱ぎCG)を鑑賞画面で見ようとするとゲームが落ちるというのがありこれがもったいない
しかもこの強制落ちに遭うと前回起動時のデータに戻ってしまうというのがありこれが残念(パッチで対応予定ではあるのだが)
・総括
ものべの同様好き者の愛が詰まった面白い作品に仕上がっていると思う
蒸気機関車、ひいては列車というのはテキストでみただけでも色んなノウハウが複雑に絡み合って動いているのだとこのゲームが無かったら生涯知る事があったかどうか
汽車というのは物・人だけでなく思いも運び線路で人と人とを繋ぐ役割を果たしているのだという事がしっかり伝わってきた
レイルロオドの設定に関してはブラックボックスが多く、特にシーリングに関しては割りと苦笑せざるを得なかったがそこはエロゲって事で
ものべの同様更にシナリオ上乗せしたVerが発売するんだったら諸々の補完に期待したい、現状今作だけで十分と感じてもいるが
シナリオ欄で書いたが短く纏まっているのもオススメしやすくて○
オススメですので是非プレイしてみてはいかがでしょうか。